粉雪2-sleeping beauty-
―――数日後、電話が鳴って、やっと事体を把握した。



♪~♪~♪

着信:ルミ



―ピッ…

「…何だよ?」


眉をしかめて、通話ボタンを押した。



『…マツさん、ママと喧嘩でもしたの?
“マツなんか、知らない!”って怒ってたよ?』


「知るか!
つーか、そんなこと言う為に掛けて来たのか?!」



相変わらず、俺の機嫌は直らないままだ。



『違うよ、もぉ!!』


電話越しにも、ルミの怒った顔が簡単に想像できる。



『…ママから、何か聞いてない?』


「ハァ?」


戸惑いがちに聞いてくるルミに、眉をしかめた。



『…やっぱり何も聞いてないのか~…。』


一人で納得したのか、ルミは困ったようにため息をついた。



「…何だよ?」


意味も分からず聞き返す俺に、ルミはゆっくりと口を開いた。



『…ママがね?
“最近、つけられてる気がする”って言ってるの。』


「―――ッ!」



つけられてる…?



「誰に…?」


心臓が、嫌でも早くなる。


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