粉雪2-sleeping beauty-
「…そーゆーのが良いって男も居るしな。
別に、世の中顔じゃねぇだろ。」



俺が言える台詞でもないけど。



『…社長さんは、どーなんですか?』


「…俺?
俺はよくわかんねぇよ…。
強いて言うなら、好きになった女がタイプなんじゃねぇの?」


煙草を吹かしながら、少しだけ目を細めた。



別に俺は、千里なんかタイプじゃない。


俺の好きなのは、頭がカラッポで、すぐにヤらせてくれる女だ。


だけど、そんな女を彼女にしたいわけじゃないから、

結局の所、どんな女が好きなのかなんて、自分でもよくわからない。



「…別にアンタ、不細工じゃねぇだろ。
男なんて、放っといても寄ってくるんじゃねぇの?」


『…そんなこと…ないですよ…。』


俺の言葉に、女は赤くなって俯いてしまった。


別にこの女は、ホントに不細工ではないと思う。


美人系ではないが、可愛い系だから、俺の趣味でもないけど。



「…アンタ、名前は?」


『…菊池…佐和です…。
社長さん、は…?』


戸惑いがちに聞かれた。



「俺は、松本幸成。」


『…素敵な名前ですね。』


その言葉に、眉をしかめた。



「…どこがだよ。
“似合わない”とか、言われまくってるけど?」


『そんなことないですよ!!
本当に、素敵だと思います!!』



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