粉雪2-sleeping beauty-
『…怒鳴り声、電話から漏れてましたよ?』
笑いながら近づいてきたのは、俺が最も信頼してる真鍋だ。
俺の右腕になって、よく働いてくれてるよ。
「…聞こえてたのか…。」
『どーせまた、千里ママ怒らせるようなこと言ったんでしょ?』
「…良いんだよ、怒らせときゃ。」
怒るくらい威勢が良いのは、元気な証拠だ。
少しずつだけど、お前が元気になっていくのが嬉しかった。
“銀行に行くついでだよ!”
そんな風に言いながら、俺の家の家賃までちゃんと口座に入れてくれていた。
計算した給料を書いた紙を千里に渡しとけば、全部その通りにやってくれた。
俺らは、支えあって生きてると思ってたんだ。
兄弟みたいな関係でも何でも良かった。
お前は俺に、ムカついてたか?
それでも、昔みたいに何とも思われてないよりは良かったんだ。
嫌ってるのは、俺のことがちゃんと見えてる証拠だから。
『…ホントにマツって、世話が焼けるよ…。
もっと何でも出来るんだと思ってたのに…。』
口を尖らせたその顔は、子供みたいだった。
世話が焼けるのは、お前の方だろ?
隼人さんにもお前にも、迷惑掛けられっぱなしだったっつーの。
そんなことが“楽しい”と思ってたのは、俺だけだったのかな…?
お前はいつも、恐怖と戦ってたんだもんな。
笑いながら近づいてきたのは、俺が最も信頼してる真鍋だ。
俺の右腕になって、よく働いてくれてるよ。
「…聞こえてたのか…。」
『どーせまた、千里ママ怒らせるようなこと言ったんでしょ?』
「…良いんだよ、怒らせときゃ。」
怒るくらい威勢が良いのは、元気な証拠だ。
少しずつだけど、お前が元気になっていくのが嬉しかった。
“銀行に行くついでだよ!”
そんな風に言いながら、俺の家の家賃までちゃんと口座に入れてくれていた。
計算した給料を書いた紙を千里に渡しとけば、全部その通りにやってくれた。
俺らは、支えあって生きてると思ってたんだ。
兄弟みたいな関係でも何でも良かった。
お前は俺に、ムカついてたか?
それでも、昔みたいに何とも思われてないよりは良かったんだ。
嫌ってるのは、俺のことがちゃんと見えてる証拠だから。
『…ホントにマツって、世話が焼けるよ…。
もっと何でも出来るんだと思ってたのに…。』
口を尖らせたその顔は、子供みたいだった。
世話が焼けるのは、お前の方だろ?
隼人さんにもお前にも、迷惑掛けられっぱなしだったっつーの。
そんなことが“楽しい”と思ってたのは、俺だけだったのかな…?
お前はいつも、恐怖と戦ってたんだもんな。