粉雪2-sleeping beauty-
『―――あたしの家、ここです!』


「…そっか、お疲れさん。」


気付いたら、佐和の家に着いていた。



『あのっ、良かったら、番号とか教えてもらえませんか?』


「…え?」


驚いて振り返った。



『今度お礼に、奢らせてください!』


「…別に、そーゆーのは良いから。」



てゆーか、早く車から降りて欲しい。



『そーゆー訳にはいきませんよ!!』


その言葉にため息をつき、自分の番号を表示させた携帯を差し出した。


何でも良いから、早く帰りたかった。


俺の携帯を受け取った佐和は、速いスピードで自分の携帯に打ち込んでいく。


その姿はやっぱり、イマドキの女だ。



『…メールとか…送って良いですか…?』


携帯を返されながら、戸惑いがちに聞かれた。



「…悪いけど俺、メールとかしないんだよ。」


『じゃあ、あたしとしてください!!』


「―――ッ!」


その言葉に、さすがの俺も目を見開いた。



…何だよ、コイツ…。



「…てゆーか、早く降りてくれない?
俺も忙しいんだよ。」


冷たく言い、何本目かの煙草を咥えた。



『…ごめんなさい…。
迷惑…でしたよね…?』


俯く佐和に、ため息をついた。


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