粉雪2-sleeping beauty-
「…何でお前って、いっつもそうなんだ?」


眉をしかめた。



『…欲しかったの?
あーんってしてあげようか?(笑)』


そう言って、アイスの乗ったスプーンを顔の前に差し出された。



「…いらねぇよ。」


『…何でそんなに怒ってるの?』


瞬間、千里の顔が怪訝に変わった。



「いらねぇっつったろ?!」


『―――ッ!』


振り払った手がスプーンに当たり、カランッと音を立てて床に転がった。


千里は呆然としたまま、目を見開いている。



「…悪ぃ…!」


焦って取り繕う俺に、千里は悲しそうに顔を俯かせた。



『…ごめん、あたし、帰る。』


短く言った千里は、そのまま立ち上がった。



「待てって!
今俺、ちょっと機嫌悪かっただけだから!」


『…離してよ…』


腕を掴んだ俺の方を向かず、千里は小さく呟いた。


転がっていたスプーンのアイスは、次第に溶けて床に広がっていく。



「聞けって、話を!」


『お願いだから、離してよ!!』


千里は俺の腕を振り払おうと、必死に抵抗していた。


段々と、俺の手にも力が入っていく。


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