粉雪2-sleeping beauty-
コンビニに行けば、不意にお菓子のコーナーで足を止め、

“セブンスター買わなきゃ”って思っちゃって。


街中でスカルプチャーの香りに、思わず振り返っちゃったりなんかして。



ヤベェよ、俺…


マジで重症だわ。



大切だから、奪わなかったのに…。


こんなことになるなら、奪ってれば良かったんだ…。


傷つけてでも、俺のものにしてれば良かったんだ…。




♪~♪~♪

着信:佐和


―ピッ…

『あのっ、お久しぶりです!!』


俺が何か言う前に、佐和は言葉を並べた。


『…お元気…でしたか…?』



“元気”って何だろう…。



『…あのっ…、幸成…さん?』



もぉ、どうでも良かった。


アイツじゃない女は、誰でも一緒なんだ。


あんな女に縛られてる自分が、すごく惨めで。


気持ち悪いとさえ思えた。



「…アンタ、俺と付き合う?」


『―――ッ!』



自分が何を言ってるかくらい、ちゃんとわかってる。


誰でも良かったんだ。


アイツが居ないと生きていけないような人間にだけは、なりたくなかった。


隼人さんみたいになんか、死んでもなりたくはなかった。



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