粉雪2-sleeping beauty-
俺もまぁ、わりと短気だしさぁ。


ムカつくやら悲しいやらで、このままじゃ店壊しそうだったんだよ。



その日はぶっちゃけ、飲んで暴れて最悪だった。


今考えたって、お前の店じゃなくて良かったと思ってるよ。






「いい加減にしろよ?!
もお1年だぞ?!」


『“まだ1年”だよ…。
あたしの中では、“終わったこと”に出来ないから…。』



“この苦しみは、いつまで続くんだろう”って思った。


死んでもなお、お前を縛り続けてる隼人さんが許せなかったんだ。



「…やめとけよ…!
いい加減、あんな男忘れろよ!!」


「今日、アイツと決別しろよ!
いい加減、俺にしとけよ!!」



こんな風に言うつもりなんて、全然なかったんだ。



『…それは…、出来ないから…。』



わかってたよ、最初から。


お前を苦しめるつもりなんてなかったけど、俺だって苦しかったんだ。


もぉ、どうしたら良いのかもわかんなかった。



「…もぉ…、限界なんだよ…!」


『…ごめん…』



お前が謝る必要なんて、どこにもないから。


謝られたら、余計に悲しくなったよ。


自分が撒いた種だってのにな。



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