粉雪2-sleeping beauty-
―――数日後、俺の携帯は鳴り続けていた。


ディスプレイには、“ルミ”の文字。


コイツも真鍋と一緒で、お節介なんだ。


どーせ、同じようなことを言って俺を責める。


だから出なかった。




♪~♪~♪

着信:真鍋


今度は、真鍋の名前が着信を告げた。


仕方なく、通話ボタンを押す。



―ピッ…

「…どーかした?」


『社長!大変っす!!』


「―――ッ!」


ヤル気なく出た俺に、ただ事ではない雰囲気の真鍋が捲くし立てる。



「何があった?!」


身を沈めていたソファーから飛び起き、焦って聞き返した。


一呼吸置き、真鍋はゆっくりと口を開く。



『…社長…。
もぉ一度だけ聞きますけど、ママのことは、本当に何とも思ってないんですか?』


「ハァ?!
今、そんなことはどーだって良いだろ?!」



…何だよ、コイツ…!



『…ママのことを何とも思ってないなら、言えません…。』


「…アイツ…何かあったのか…?」


突然、嫌な予感が体中を支配した。


訳も分からぬ不安が、俺の心臓の音を早める。



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