粉雪2-sleeping beauty-
『…俺が先に聞いてんすよ…。
答えてください…。』


「うるせぇっつってんだろ?!
言えよ、何があったか!!」


低く聞いてくる真鍋に、抑えきれない怒りをぶつけた。



『…ママ、倒れたらしいっす。』


「―――ッ!」


瞬間、頭が真っ白になった。


打ち付ける心臓の音だけが、時間が止まっていないことを証明してくれていた。



『…でも、好きじゃないなら、行かないでください。』


「―――ッ!」


踏み出そうとしていた足は、その瞬間に止まった。



『…ケジメつけましょうよ。
社長、彼女居るんでしょ?
他の女の心配して、病院に行くつもりですか?』


「―――ッ!」



上手く息が出来なかった。


自分で決めたことなのに…。


先に裏切ったのは、アイツなのに…。



『…俺は行きますよ。
俺には、ママに恋愛感情なんかないですから。』


そして真鍋は、ハッキリと続けた。


『…中途半端なことしか出来ないなら、行って掻き回さないでくださいよ。』


「―――ッ!」



…俺が…掻き回す…?


俺が…悪いのか…?



「…頼むよ、真鍋…。
教えてくれ…。」


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