粉雪2-sleeping beauty-
a still room
―コンコン!
「―――ッ!」
ドアをノックする音に、ハッとして振り返った。
―ガラガラ…
『煙草係で~す。』
言いながら入ってきたのは、嵐だった。
俺達の空気を打ち破るように、嫌に明るい声だ。
「…何で…お前が…!」
目を見開く俺に、嵐は深いため息をついた。
『…商売道具の顔殴られたのに、店に戻れねぇだろ。』
俺を睨み付け、千里に向き直った。
『…可哀想に…。
こんなイカつい男に睨まれたら、普通は泣くよな…。』
安心させるように囁く嵐に、唇を噛み締めた。
『…いやぁ、アラスカの方まで買いに行ってたら、遅くなっちゃった。』
少しだけ笑った嵐に、千里も諦めたように力なく笑った。
『…知らなかったよ、アラスカにセブンスターが売ってたなんて。』
その瞬間、俺じゃダメなんと思った。
わかっていた筈なのに、
まるでダメ押しでもされたように、見せ付けられている気さえする。
ゆっくりと立ち上がり、千里に背を向けた。
俺一人だけ、息苦しくて…。
こんな場所から早く、逃げ出してしまいたかった。
『待てよ、マツ!』
「―――ッ!」
瞬間、嵐に呼び止められた。
「―――ッ!」
ドアをノックする音に、ハッとして振り返った。
―ガラガラ…
『煙草係で~す。』
言いながら入ってきたのは、嵐だった。
俺達の空気を打ち破るように、嫌に明るい声だ。
「…何で…お前が…!」
目を見開く俺に、嵐は深いため息をついた。
『…商売道具の顔殴られたのに、店に戻れねぇだろ。』
俺を睨み付け、千里に向き直った。
『…可哀想に…。
こんなイカつい男に睨まれたら、普通は泣くよな…。』
安心させるように囁く嵐に、唇を噛み締めた。
『…いやぁ、アラスカの方まで買いに行ってたら、遅くなっちゃった。』
少しだけ笑った嵐に、千里も諦めたように力なく笑った。
『…知らなかったよ、アラスカにセブンスターが売ってたなんて。』
その瞬間、俺じゃダメなんと思った。
わかっていた筈なのに、
まるでダメ押しでもされたように、見せ付けられている気さえする。
ゆっくりと立ち上がり、千里に背を向けた。
俺一人だけ、息苦しくて…。
こんな場所から早く、逃げ出してしまいたかった。
『待てよ、マツ!』
「―――ッ!」
瞬間、嵐に呼び止められた。