粉雪2-sleeping beauty-
「いつから~?」
『何が~?』
ソファーに座ってクッションを抱いた千里にミネラルウォーターを差し出しながら、
ヤル気なく聞いた。
同じ口調で、千里は聞き返す。
「過呼吸。」
『―――ッ!』
唇を噛み締めて俯く千里の横に腰を下ろし、煙草を咥えた。
受け取られなかったミネラルウォーターを、仕方なく机の上に置く。
返ってこない返事はいつものことで、何も言わずに待ち続けた。
『…ずっと、前からね?
苦しくなることはあったんだ…。』
ポツリポツリと、千里は言葉を紡ぎ出した。
『…初めて過呼吸になったのは、隼人の命日の前かな?』
そう言って、明るく振舞おうとしているのか天井を仰いだ。
『…苦しくて苦しくて、死ぬのかと思った。
でも、“それでもいいかな?”って、ちょっと思ったんだ…。
…なのに、全然死ねないし、苦しくなる一方だし…。』
悲しそうに笑いながら、目を伏せた。
『…それからはまぁ、何度かね。』
何でそんなに、笑って話すんだろう。
何でそんなに、強がろうとするんだろう…?
「…何で…俺に言わなかったんだよ…。」
『…マツにこれ以上、心配掛けさせる訳にはいかなかったんだ…。』
「―――ッ!」
拳を握り締め、必死で押し殺した。
また責めてしまいそうで、それが怖かった。
「…こんなに後になって聞かされるほうが、よっぽど心配するだろーが…!」
『…うん、ごめんね…。
だから、隠してようと思ったんだ…。』
『何が~?』
ソファーに座ってクッションを抱いた千里にミネラルウォーターを差し出しながら、
ヤル気なく聞いた。
同じ口調で、千里は聞き返す。
「過呼吸。」
『―――ッ!』
唇を噛み締めて俯く千里の横に腰を下ろし、煙草を咥えた。
受け取られなかったミネラルウォーターを、仕方なく机の上に置く。
返ってこない返事はいつものことで、何も言わずに待ち続けた。
『…ずっと、前からね?
苦しくなることはあったんだ…。』
ポツリポツリと、千里は言葉を紡ぎ出した。
『…初めて過呼吸になったのは、隼人の命日の前かな?』
そう言って、明るく振舞おうとしているのか天井を仰いだ。
『…苦しくて苦しくて、死ぬのかと思った。
でも、“それでもいいかな?”って、ちょっと思ったんだ…。
…なのに、全然死ねないし、苦しくなる一方だし…。』
悲しそうに笑いながら、目を伏せた。
『…それからはまぁ、何度かね。』
何でそんなに、笑って話すんだろう。
何でそんなに、強がろうとするんだろう…?
「…何で…俺に言わなかったんだよ…。」
『…マツにこれ以上、心配掛けさせる訳にはいかなかったんだ…。』
「―――ッ!」
拳を握り締め、必死で押し殺した。
また責めてしまいそうで、それが怖かった。
「…こんなに後になって聞かされるほうが、よっぽど心配するだろーが…!」
『…うん、ごめんね…。
だから、隠してようと思ったんだ…。』