粉雪2-sleeping beauty-
♪~♪~♪

「…?」


耳元で携帯が鳴り、目を覚ました。


気付いたら、事務所のソファーで寝ていて、とにかく体中が痛い。


それ以前に、完璧二日酔いだ。



着信:千里


「―――ッ!」


なのにその瞬間、脳みそがフル稼働。


深呼吸なんかして、ゆっくりと通話ボタンを押した。



―ピッ

「…ハイ?」


『マツ、ご飯どーする?』



意外にも、千里が普通だったことに驚いた。



「…いや、どっちでも良いけど…」



“あれ?昨日の俺の告白はなし?”とか、

“それとも、気を使わせちゃってる系?”とか。


馬鹿みたいに、一人でテンパってた。



『フグのお店行きたい!
連れてって♪』


「―――ッ!
…あぁ、ハイ…」


『じゃあ、迎えに来てね♪』


勝手に電話が切れた。


規則的に鳴り響く通話終了の音を耳から離し、ため息をついた。


机の上に置いたままにしていたミネラルウォーターを流し込むと、

そのぬるさにまたため息をついた。


頭も体も痛くて、とりあえず何も考えられない。



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