粉雪2-sleeping beauty-
make a bad choice
―――“人生はやり直しがきく”ってよく言うけど、そんなことなんて有り得ない。


やり直せないからこそ人は、もがき、そして苦しむんだ。




♪~♪~♪

着信:佐和


「―――ッ!」



まさか、もぉ掛かって来ることもないと思っていたのに。


本当に、何を考えているのかわからない女だ。



―ピッ…

「…何?」


怒りを押さえ、通話ボタンを押した。



『…あのっ…。
電話して…ごめんなさい…。』


「…ストーカーかよ…。
勘弁してくんない?」


『―――ッ!』


口元を引き攣らせて言う俺に、電話口から震える息遣いが漏れ始めた。


泣かれたって、俺に罪悪感すら植え付けることは出来ない。



『…会いたいの…。』


「…俺の言ってる意味、わかってる?」



何を言い出したと思えば…。


あれだけのことをされて、それでも“会いたい”なんて。


虫唾が走る。



『何を言われても、あたしは幸成が好きなの!!
最後に会ってくれるだけで構わない!!』


「…会ってどーする気?
まさか、俺のこと殺すとか?」


ハッと笑い、煙草を咥えた。



『…そんなこと…するわけないじゃない!
好きだから、最後に会いたいの!!』


縋り付く様に言われた。


< 235 / 372 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop