粉雪2-sleeping beauty-
真っ暗なはずなのに、世界は真っ白で。


何だか、俺にはよく分からない。



…あぁ俺、死んだのか…。


何となく、そんな風に思った。


そのわりには、何故か体中が痛くて…。



…ヤベェな、俺…。


とりあえず、隼人さんに挨拶行くべきなのかな…?


でも、行ったら確実に殴られるし…。


死んだら、痛くないんだろうか…?


何かもぉ、よくわかんねぇからどーでも良いや…。




千里のヤツ…。


俺が死んだら、泣いてくれるのかな…?



でも俺、もぉ泣いた顔なんて見たくねぇよ…。


アイツの笑った顔が見てぇ…。



次に生きる時は、真っ先にアイツに会いに行こう…。


隼人さんより早く、見付け出してやるからな…。

















『―――社長!!
大丈夫っすか?!』


「…ってぇ…!」


ゆっくりと目を開けると、真鍋が心配そうに俺の顔を覗き込んできた。


鉛の様に体中が重く、そして痛い。



…あれ…?


俺、生きてんの…?



辺りを見回すと、助手席側にはブロック壁があった。


車の右後ろには、相手の車が突き刺さっている。


どうやらこの車は、壁と相手の車に挟まれているらしい。



「…出れる…?」


とりあえず、一刻も早くここから出たかった。


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