粉雪2-sleeping beauty-
『社長!!
血が出てますよ!!』
何とか運転席から脱出した俺に、真鍋が青い顔を向けてきた。
「…ハァ?」
言われて覗き込んでいる場所を手で触ってみると、生暖かい感触がする。
「―――ッ!」
その瞬間、左のこめかみの上の部分が、強烈に痛みを放つ。
どうやら、切れたらしい。
『すっ、すいません!!
私…あのっ…!』
50代くらいのクソババアが、青い顔をして俺達の方に向かってきた。
無事だった真鍋は、首の辺りを押さえながら自分の車を見て呆然としていた。
「…とりあえず警察と保険屋だな。
あと、俺ら病院行きたいんだけど。」
睨み付けたら、ババアは急いで携帯を取り出した。
『…俺の車、どーなります…?』
「心配すんな。
運転席より後ろに当たってるし、お前に過失はねぇよ。
治療費も、タップリ取れる。」
だけど真鍋は、愛車が傷ついたことが何より悲しいと言った表情をしていた。
『…全損には、なりませんよね?』
「そりゃー無理だろ。
エンジンはイカれてねぇし。」
俺の言葉に、真鍋はガックリと肩を落とした。
ババアが呼んだ警察が来て、事故証明を取り、
その後に来た救急車に真鍋と二人で乗った。
車中で真鍋は、保険屋に電話を掛けていた。
その横で、頭は痛いし体中痛いし、煙草は吸いたい俺。
真鍋には悪いが、自分の車じゃなくて、ホントに良かったと思う。
つーか、死ななくて良かった…。
血が出てますよ!!』
何とか運転席から脱出した俺に、真鍋が青い顔を向けてきた。
「…ハァ?」
言われて覗き込んでいる場所を手で触ってみると、生暖かい感触がする。
「―――ッ!」
その瞬間、左のこめかみの上の部分が、強烈に痛みを放つ。
どうやら、切れたらしい。
『すっ、すいません!!
私…あのっ…!』
50代くらいのクソババアが、青い顔をして俺達の方に向かってきた。
無事だった真鍋は、首の辺りを押さえながら自分の車を見て呆然としていた。
「…とりあえず警察と保険屋だな。
あと、俺ら病院行きたいんだけど。」
睨み付けたら、ババアは急いで携帯を取り出した。
『…俺の車、どーなります…?』
「心配すんな。
運転席より後ろに当たってるし、お前に過失はねぇよ。
治療費も、タップリ取れる。」
だけど真鍋は、愛車が傷ついたことが何より悲しいと言った表情をしていた。
『…全損には、なりませんよね?』
「そりゃー無理だろ。
エンジンはイカれてねぇし。」
俺の言葉に、真鍋はガックリと肩を落とした。
ババアが呼んだ警察が来て、事故証明を取り、
その後に来た救急車に真鍋と二人で乗った。
車中で真鍋は、保険屋に電話を掛けていた。
その横で、頭は痛いし体中痛いし、煙草は吸いたい俺。
真鍋には悪いが、自分の車じゃなくて、ホントに良かったと思う。
つーか、死ななくて良かった…。