粉雪2-sleeping beauty-
『何やってんだよ?!
千里どこだよ?!』


「―――ッ!」


割って入ったように、俺の胸ぐらを掴んだ。


だけど呆然としている俺に、嵐は捲くし立てた。



『つーかお前、この女なんだよ?!』


「…何で…お前が…」


『俺のことなんか、どーだって良いだろ?!』



もぉ、本当にグチャグチャだった。


何で佐和がいるのかも、嵐がいるのかもわからない。



「…千里…は?」


『それを聞いてるんだろーが!!』


「―――ッ!」



アイツ…どこに行ったんだろう…?


また俺が…泣かせたのに…。


俺の所為で…!



『…まさか、お前…。
千里に何かしたのか?!』


「―――ッ!」


悔しくて、唇を噛み締めた。


手に入れたものが、幻の様に消えてゆく。


やっと掴んだと思ってたのに…。



「…なぁ、嵐…。
もぉ…俺じゃ無理だ…。」



結局俺は、傷つけることしか出来ない。


あの時千里は、怯えていた。


あんな顔させてまで、傍に置いときたいなんて、思っちゃダメだったんだ…。



『…何、言ってんだよ…?』


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