粉雪2-sleeping beauty-
attempt suicide
あれから俺は、どうやって家まで帰ったのか覚えていない。


タクシーで事務所まで帰り、そこまから車で帰ってきたのか。


それとも全く別の方法で帰ってきたのか…。



“だから…天罰なんだよ”


ただ、千里の言葉ばかりが頭を占めた。



愛しくて…


苦しくて…


ただ、生きていてくれることだけを願い続けた。


泣いてないことだけを、祈り続けた。



もぉこれ以上、苦しめ続けることなんて出来ない。


俺が壊したのなら、俺が居なくなろう。


俺が居なくなることでアイツが苦しまずにすむなら、もぉそれだけで良い。





♪~♪~♪

着信:嵐


鳴り響く携帯を、煙草を咥えてただ見つめ続けた。



―ピッ…

「…ハイ…。」


『マツ!!
…千里…さぁ…』


嵐はそこまで言い、言葉を詰まらせた。


そして何かを遮るように、言葉を紡いだ。


『…店に…戻ったよ…。
後は…ルミちゃんに任せた…。』


「…そう…か…。」



あぁ、生きてるのか…



『…もぉ…良いのか…?』


戸惑いがちに、それだけ聞かれた。


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