粉雪2-sleeping beauty-
『―――マツ!!』
「―――ッ!」
引き裂くような声に、ハッとした。
顔を上げると、純白のスーツがこちらに向かってくる。
パタパタと3人分の足音は、静寂に包まれた病院に響いた。
『マツ!!
しっかりしろ!!』
『ママは?!
どーなったの?!』
『社長!!』
嵐とルミと真鍋は、口々に捲くし立てた。
体を揺らされると、まるで俺を形作っているものが壊れてしまいそうで。
何で居るのかとか、何がどうなっているのかとか、まるで分からなかった。
ただ血で染められたスーツだけが、
先ほどのことが嘘ではないと証明しているみたいで。
「…千里が死んだら…俺の所為だ…。」
『っざけんじゃねぇぞ、てめぇ!!
縁起でもねぇこと言ってんじゃねぇよ!!』
搾り出す俺の胸ぐらを掴み、嵐は声を上げた。
ただ胸が締め付けられて、息さえも出来なくて。
『千里はなぁ!
そんな女じゃねぇよ!!』
俺の胸ぐらを掴む嵐の手は、震えているようにも見えた。
嵐は一度唇を噛み締め、顔を上げて再び口を開いた。
『俺らが呼べば、戻って来るんだよ!!
優しいやつだって…わかってんだろ?!』
「―――ッ!」
嵐の怒声にも、ルミの嗚咽にも、真鍋の押し殺したような顔さえも、ただ苦しかった。
俺のためじゃなくても、戻ってきて欲しい…。
こんなにお前を想ってくれる仲間が居るのに…。
お前はもぉ、一人じゃないのに…。
「―――ッ!」
引き裂くような声に、ハッとした。
顔を上げると、純白のスーツがこちらに向かってくる。
パタパタと3人分の足音は、静寂に包まれた病院に響いた。
『マツ!!
しっかりしろ!!』
『ママは?!
どーなったの?!』
『社長!!』
嵐とルミと真鍋は、口々に捲くし立てた。
体を揺らされると、まるで俺を形作っているものが壊れてしまいそうで。
何で居るのかとか、何がどうなっているのかとか、まるで分からなかった。
ただ血で染められたスーツだけが、
先ほどのことが嘘ではないと証明しているみたいで。
「…千里が死んだら…俺の所為だ…。」
『っざけんじゃねぇぞ、てめぇ!!
縁起でもねぇこと言ってんじゃねぇよ!!』
搾り出す俺の胸ぐらを掴み、嵐は声を上げた。
ただ胸が締め付けられて、息さえも出来なくて。
『千里はなぁ!
そんな女じゃねぇよ!!』
俺の胸ぐらを掴む嵐の手は、震えているようにも見えた。
嵐は一度唇を噛み締め、顔を上げて再び口を開いた。
『俺らが呼べば、戻って来るんだよ!!
優しいやつだって…わかってんだろ?!』
「―――ッ!」
嵐の怒声にも、ルミの嗚咽にも、真鍋の押し殺したような顔さえも、ただ苦しかった。
俺のためじゃなくても、戻ってきて欲しい…。
こんなにお前を想ってくれる仲間が居るのに…。
お前はもぉ、一人じゃないのに…。