粉雪2-sleeping beauty-
trouble
『…ママ…?』
声に反応したように、千里はゆっくりと目を覚ました。
ルミの顔を見た瞬間、千里の顔は悲しそうに歪んでいく。
『…何で…生きてるの…?』
顔を覆う左手の手首には、包帯が巻かれていた。
右腕には、点滴が繋がれている。
『…ママ…。
そんなこと言わないでよ…。』
千里の嗚咽とルミの嗚咽に包まれた病室は、息苦しくて仕方がなかった。
生きていることを喜んでいない千里に、何も言えなくて。
顔を覆って唇を噛み締めた。
『…千里…。
マツが助けてくれたんだ…。』
『―――ッ!』
嵐の言葉に、だけど千里は何も言わなかった。
“何で”って言葉ばかりが聞こえてきて、それが苦しくて仕方がなかった。
助けなければ良かったんだろうか…。
あの時…
隼人さんが死んだ時、止めなければ良かったんだろうか…。
『…もぉ耐えられない…。
隼人の傍に…行きたい…。』
「―――ッ!」
“ふざけんな”って、言ってやりたかった…。
“俺の傍に居ろ”って…
言ってやりたかったのに…。
これ以上苦しめることなんて、俺には出来なかった…。
何を言っても傷つける気がして…。
そんな自分が、すごく嫌だった…。
声に反応したように、千里はゆっくりと目を覚ました。
ルミの顔を見た瞬間、千里の顔は悲しそうに歪んでいく。
『…何で…生きてるの…?』
顔を覆う左手の手首には、包帯が巻かれていた。
右腕には、点滴が繋がれている。
『…ママ…。
そんなこと言わないでよ…。』
千里の嗚咽とルミの嗚咽に包まれた病室は、息苦しくて仕方がなかった。
生きていることを喜んでいない千里に、何も言えなくて。
顔を覆って唇を噛み締めた。
『…千里…。
マツが助けてくれたんだ…。』
『―――ッ!』
嵐の言葉に、だけど千里は何も言わなかった。
“何で”って言葉ばかりが聞こえてきて、それが苦しくて仕方がなかった。
助けなければ良かったんだろうか…。
あの時…
隼人さんが死んだ時、止めなければ良かったんだろうか…。
『…もぉ耐えられない…。
隼人の傍に…行きたい…。』
「―――ッ!」
“ふざけんな”って、言ってやりたかった…。
“俺の傍に居ろ”って…
言ってやりたかったのに…。
これ以上苦しめることなんて、俺には出来なかった…。
何を言っても傷つける気がして…。
そんな自分が、すごく嫌だった…。