粉雪2-sleeping beauty-
『…マツのこと大好きなのに、愛せないの…。
隼人は嘘つきだから嫌いなのに…それでも愛してるの…。』
千里の紡ぎ出す言葉が痛くて、本当は何も聞きたくなかった。
『…あたしが中途半端だから…隼人に嫌われたんだよ…!!』
「―――ッ!」
それでも自分を責めて。
何でそこまで出来るんだよ…!!
「…ならもぉ、俺と生きていこう…。
あの人は、迎えに来なかったんだ…。」
『言わないで!!』
耳を塞ぐ千里に、だけど俺は、言葉を続けた。
「聞けよ!!
俺らは生きてるんだ!!」
小さく震える肩を掴み、揺れる瞳を見据えた。
目を見開いた千里は、唇を噛み締めながら目線を落とす。
そして声を震わせながら、俺を見上げた。
『…あたしが、あの人のところに行きたいんだよ…。』
「―――ッ!」
『…もぉ、十分生きたじゃん…。
これ以上…頑張れないよ…!!』
目に映る千里の姿は、いつもみたいに綺麗じゃなかった。
大きな瞳も、優しい笑顔も、綺麗に巻かれた髪の毛も。
振り乱したように俯いて震える姿を、ただ見ていられなかった。
“隼人の傍に行きたい”
お前のたった一つ願い続けてきたことを、取り上げることなんて出来なかった。
なのに俺は、酷い男なのかな。
「…お前のこと大好きなやつ…この世界にはイッパイ居るじゃん…!
俺だって…愛してんのに…。
いつもみたいに…笑って“大丈夫”って言えよ!!」
『…隼人以外…何も要らない…。
大丈夫なわけ…ないじゃん…。』
「―――ッ!」
千里の紡ぎだした言葉はまるで、この世の全てを拒否しているようで。
その瞳からは、光さえも見えなかった。
隼人は嘘つきだから嫌いなのに…それでも愛してるの…。』
千里の紡ぎ出す言葉が痛くて、本当は何も聞きたくなかった。
『…あたしが中途半端だから…隼人に嫌われたんだよ…!!』
「―――ッ!」
それでも自分を責めて。
何でそこまで出来るんだよ…!!
「…ならもぉ、俺と生きていこう…。
あの人は、迎えに来なかったんだ…。」
『言わないで!!』
耳を塞ぐ千里に、だけど俺は、言葉を続けた。
「聞けよ!!
俺らは生きてるんだ!!」
小さく震える肩を掴み、揺れる瞳を見据えた。
目を見開いた千里は、唇を噛み締めながら目線を落とす。
そして声を震わせながら、俺を見上げた。
『…あたしが、あの人のところに行きたいんだよ…。』
「―――ッ!」
『…もぉ、十分生きたじゃん…。
これ以上…頑張れないよ…!!』
目に映る千里の姿は、いつもみたいに綺麗じゃなかった。
大きな瞳も、優しい笑顔も、綺麗に巻かれた髪の毛も。
振り乱したように俯いて震える姿を、ただ見ていられなかった。
“隼人の傍に行きたい”
お前のたった一つ願い続けてきたことを、取り上げることなんて出来なかった。
なのに俺は、酷い男なのかな。
「…お前のこと大好きなやつ…この世界にはイッパイ居るじゃん…!
俺だって…愛してんのに…。
いつもみたいに…笑って“大丈夫”って言えよ!!」
『…隼人以外…何も要らない…。
大丈夫なわけ…ないじゃん…。』
「―――ッ!」
千里の紡ぎだした言葉はまるで、この世の全てを拒否しているようで。
その瞳からは、光さえも見えなかった。