粉雪2-sleeping beauty-
『―――マツ!
起きろよ!』
「―――ッ!」
ゆっくりと目を覚ますと、何故か嵐のドアップがあった。
声を上げようとした瞬間、視界の端にまだ眠る千里を発見し、
言葉を飲み込んで嵐を睨み付けた。
『…お前、ここで寝てたの?』
丸椅子に腰掛け、千里の手を握ったままベッドにうつ伏せたように寝ていた俺に、
嵐は小声で聞いてきた。
少し恥ずかしくなり、握っていた手をゆっくりと離す。
「…つーか、体痛いし。」
『…そりゃそーだろ。』
背伸びをする俺に、嵐はため息をついた。
窓の外は冬だからなのか、まだ陽は昇りきっていない。
薄暗い病室には、肌寒さが広がり、思い出したように身震いした。
あくびを噛み殺しながら時計を見ると、朝の5時だ。
そんなことに、ため息をついた。
「…俺、ほとんど寝てねぇじゃん…。」
立ち上がり静かに部屋を出る俺の後ろを、嵐も同じように続く。
ムチウチの治りきっていない体は、睡眠不足と疲労も重なり、軽く悲鳴を上げていた。
音を立てないようにドアを閉め、廊下の突き当たりのソファーに向かう。
『…あれから、どーなった?』
ブラックの缶コーヒーを差し出しながら、嵐は聞いてくる。
微糖じゃないことに少し腹を立てながら、何も言わずに受け取った。
「…さぁな。
千里次第っつーか?
まぁとりあえず、約束しといたから生きてるだろ。」
他人事の様に言いながら、プルタブを開け、苦い茶色を流し込んだ。
口の中に広がる味に眉をひそめ、言葉を続ける。
「…ちょっと俺、これから忙しくなるから、暇な時は相手しに来てやれよ。
あと、見張っといて。」
『何する気~?』
「…まぁ、色々だよ。」
言葉を濁し、代わりにコーヒーを流し込んだ。
起きろよ!』
「―――ッ!」
ゆっくりと目を覚ますと、何故か嵐のドアップがあった。
声を上げようとした瞬間、視界の端にまだ眠る千里を発見し、
言葉を飲み込んで嵐を睨み付けた。
『…お前、ここで寝てたの?』
丸椅子に腰掛け、千里の手を握ったままベッドにうつ伏せたように寝ていた俺に、
嵐は小声で聞いてきた。
少し恥ずかしくなり、握っていた手をゆっくりと離す。
「…つーか、体痛いし。」
『…そりゃそーだろ。』
背伸びをする俺に、嵐はため息をついた。
窓の外は冬だからなのか、まだ陽は昇りきっていない。
薄暗い病室には、肌寒さが広がり、思い出したように身震いした。
あくびを噛み殺しながら時計を見ると、朝の5時だ。
そんなことに、ため息をついた。
「…俺、ほとんど寝てねぇじゃん…。」
立ち上がり静かに部屋を出る俺の後ろを、嵐も同じように続く。
ムチウチの治りきっていない体は、睡眠不足と疲労も重なり、軽く悲鳴を上げていた。
音を立てないようにドアを閉め、廊下の突き当たりのソファーに向かう。
『…あれから、どーなった?』
ブラックの缶コーヒーを差し出しながら、嵐は聞いてくる。
微糖じゃないことに少し腹を立てながら、何も言わずに受け取った。
「…さぁな。
千里次第っつーか?
まぁとりあえず、約束しといたから生きてるだろ。」
他人事の様に言いながら、プルタブを開け、苦い茶色を流し込んだ。
口の中に広がる味に眉をひそめ、言葉を続ける。
「…ちょっと俺、これから忙しくなるから、暇な時は相手しに来てやれよ。
あと、見張っといて。」
『何する気~?』
「…まぁ、色々だよ。」
言葉を濁し、代わりにコーヒーを流し込んだ。