粉雪2-sleeping beauty-
「…真鍋。
俺の会社、お前が継げ。
もぉ、その段取りは全て出来てるから。」
『―――ッ!』
「…無理なら、潰してくれても良い。
その時の従業員の就職先は、藤原のオッサンに全部任せてあるから。」
『待ってくださいよ!
ちょっ、何言ってんすか?!』
突然の言葉に、真鍋は焦った様子で目を見開いた。
だけど俺は、視線を落として手元にある灰皿を見つめた。
『…なぁ、マツ…。
お前、何言い出してんの?』
遮るように、嵐が横から口を挟む。
「…もぉこの会社は、俺のものじゃねぇ。
真鍋、お前のもんだ。」
『何言ってんすか、社長?!
俺に出来る訳ねぇじゃねぇっすか!!』
身を乗り出した真鍋の瞳が、困惑するように揺れる。
だけど俺は、その瞳を真剣に見据え、言葉を続けた。
「…俺は、全てを捨てる…!」
『―――ッ!』
3人の息を飲む音さえ聞こえてくるほど、事務所は緊張に包まれていた。
咥えた煙草に火をつけ吸い込む俺の姿を、3人はただ黙ったまま見つめていた。
『…マツさんがそんなことするのって、もしかしてママの為?』
口を開いたルミは、俺の瞳を捕らえる。
一瞬驚いたが、少しだけ笑い掛けた。
「…アイツの為であり、自分の為だよ。
俺はこれから、アイツと生きる。
だから、余計なもんは全部取っ払っちまおうと思ってさ。」
『―――ッ!』
俺の言葉に、嵐は何も言わず、何かを考えるようにして煙草を咥えた。
カシャンとジッポの音が響き、嵐から吐き出された煙は漂うように事務所を支配する。
同じように真鍋もルミも、何かを考えるようにして俯いたままだ。
俺の会社、お前が継げ。
もぉ、その段取りは全て出来てるから。」
『―――ッ!』
「…無理なら、潰してくれても良い。
その時の従業員の就職先は、藤原のオッサンに全部任せてあるから。」
『待ってくださいよ!
ちょっ、何言ってんすか?!』
突然の言葉に、真鍋は焦った様子で目を見開いた。
だけど俺は、視線を落として手元にある灰皿を見つめた。
『…なぁ、マツ…。
お前、何言い出してんの?』
遮るように、嵐が横から口を挟む。
「…もぉこの会社は、俺のものじゃねぇ。
真鍋、お前のもんだ。」
『何言ってんすか、社長?!
俺に出来る訳ねぇじゃねぇっすか!!』
身を乗り出した真鍋の瞳が、困惑するように揺れる。
だけど俺は、その瞳を真剣に見据え、言葉を続けた。
「…俺は、全てを捨てる…!」
『―――ッ!』
3人の息を飲む音さえ聞こえてくるほど、事務所は緊張に包まれていた。
咥えた煙草に火をつけ吸い込む俺の姿を、3人はただ黙ったまま見つめていた。
『…マツさんがそんなことするのって、もしかしてママの為?』
口を開いたルミは、俺の瞳を捕らえる。
一瞬驚いたが、少しだけ笑い掛けた。
「…アイツの為であり、自分の為だよ。
俺はこれから、アイツと生きる。
だから、余計なもんは全部取っ払っちまおうと思ってさ。」
『―――ッ!』
俺の言葉に、嵐は何も言わず、何かを考えるようにして煙草を咥えた。
カシャンとジッポの音が響き、嵐から吐き出された煙は漂うように事務所を支配する。
同じように真鍋もルミも、何かを考えるようにして俯いたままだ。