粉雪2-sleeping beauty-
『…そんなことしたら、マツが殺人犯になっちゃう…。
あたしなんか殺したら、一生その罪を背負うことになるんだよ…?』
俺の服の裾を掴み、千里は見上げてきた。
だけど俺は、笑いかける。
「…最高じゃねぇか。
お前は一生、俺の中で忘れられない女になるんだ。」
『―――ッ!』
唇を噛み締めた千里は、何かを考えるようにして俯いた。
手を伸ばし、千里の冷たい頬に触れる。
驚いたように顔を上げた千里は、不安そうに瞳が揺れていた。
「…お前は、隼人さんを愛してるんだろ?
だったら、行ってこい。
もしそこで、あの人に他に女が居たりしたら、俺のこと呼べば良いから。
なるべく即死が良いけど、我が儘は言わねぇしさ。
その時は、何が何でも俺のものにするから。」
『―――ッ!』
「…お前の泣き顔なんて、もぉ見たくねぇから…。
愛してるから、お前には幸せになって欲しい…。」
瞬間、千里は顔を歪ませた。
噛み締めた唇は震えていて、伏せた目からは涙が滲んでいる。
「…泣くなって言ったのに…。」
その頬に触れ、涙を拭った。
込み上げる愛しさは胸を締め付け、揺らいでしまいそうになる。
「…日付が変わって、14日になったらあの人のところに連れてってやるよ。
あの人が死んだ日から、やり直せ。」
『―――ッ!』
千里の泣き顔を見ていると、こっちまで泣きそうになって。
出来ることなら、生きてお前を幸せにしてやりたかった。
だけど俺は、お前を傷つけることしか出来ないから。
愛してるから…。
俺はあの人とは違うんだよ―――…
あたしなんか殺したら、一生その罪を背負うことになるんだよ…?』
俺の服の裾を掴み、千里は見上げてきた。
だけど俺は、笑いかける。
「…最高じゃねぇか。
お前は一生、俺の中で忘れられない女になるんだ。」
『―――ッ!』
唇を噛み締めた千里は、何かを考えるようにして俯いた。
手を伸ばし、千里の冷たい頬に触れる。
驚いたように顔を上げた千里は、不安そうに瞳が揺れていた。
「…お前は、隼人さんを愛してるんだろ?
だったら、行ってこい。
もしそこで、あの人に他に女が居たりしたら、俺のこと呼べば良いから。
なるべく即死が良いけど、我が儘は言わねぇしさ。
その時は、何が何でも俺のものにするから。」
『―――ッ!』
「…お前の泣き顔なんて、もぉ見たくねぇから…。
愛してるから、お前には幸せになって欲しい…。」
瞬間、千里は顔を歪ませた。
噛み締めた唇は震えていて、伏せた目からは涙が滲んでいる。
「…泣くなって言ったのに…。」
その頬に触れ、涙を拭った。
込み上げる愛しさは胸を締め付け、揺らいでしまいそうになる。
「…日付が変わって、14日になったらあの人のところに連れてってやるよ。
あの人が死んだ日から、やり直せ。」
『―――ッ!』
千里の泣き顔を見ていると、こっちまで泣きそうになって。
出来ることなら、生きてお前を幸せにしてやりたかった。
だけど俺は、お前を傷つけることしか出来ないから。
愛してるから…。
俺はあの人とは違うんだよ―――…