粉雪2-sleeping beauty-
結局千里は、ほとんどの料理をつまむだけつまみ、そのほとんどを残した。
当然俺だって、こんな量の料理を食べきれるはずもない。
「…満足したろ?
行くぞ。」
『…うん。』
伝票を持って立ち上がった俺と同じように千里も立ち上がり、二人で個室を出た。
時計を見ると、やっと昼の12時をまわった頃だ。
レジに伝票を投げるように置き、財布を取り出す俺の服を、千里が引っ張る。
煙草を咥えながら振り返ると、口を尖らせた千里の顔があった。
『…あたしが出す。』
その言葉に一つため息をつき、無視するように店員に向き直った。
『ちょっ、マツ?!』
「…うるせぇよ。」
戸惑う千里に小さく声を上げ、店員の男を睨み付けた。
『…あのっ…よろしいですか…?』
「早くしろよ!」
『ハッ、ハイ!』
焦った様子で俺と千里を見比べる店員に声を上げ、火をつけて深く吸い込んだ。
俺の服の裾は相変わらず掴まれたまま。
だけど俺は、万札を抜き取り苛立ちをぶつけるように投げつけて足早に店から出た。
『―――ちょっと待ってよ、マツ!!』
早足で歩く俺を、小走りの千里が追いかけてきた。
店を出たところで呼び止められた声に足を止め、仕方なく振り返る。
『…何、怒ってんの?』
「…別に。」
咥え煙草のまま、視線を外した。
ちょうど真上に来た太陽に、少し目を細める。
当然俺だって、こんな量の料理を食べきれるはずもない。
「…満足したろ?
行くぞ。」
『…うん。』
伝票を持って立ち上がった俺と同じように千里も立ち上がり、二人で個室を出た。
時計を見ると、やっと昼の12時をまわった頃だ。
レジに伝票を投げるように置き、財布を取り出す俺の服を、千里が引っ張る。
煙草を咥えながら振り返ると、口を尖らせた千里の顔があった。
『…あたしが出す。』
その言葉に一つため息をつき、無視するように店員に向き直った。
『ちょっ、マツ?!』
「…うるせぇよ。」
戸惑う千里に小さく声を上げ、店員の男を睨み付けた。
『…あのっ…よろしいですか…?』
「早くしろよ!」
『ハッ、ハイ!』
焦った様子で俺と千里を見比べる店員に声を上げ、火をつけて深く吸い込んだ。
俺の服の裾は相変わらず掴まれたまま。
だけど俺は、万札を抜き取り苛立ちをぶつけるように投げつけて足早に店から出た。
『―――ちょっと待ってよ、マツ!!』
早足で歩く俺を、小走りの千里が追いかけてきた。
店を出たところで呼び止められた声に足を止め、仕方なく振り返る。
『…何、怒ってんの?』
「…別に。」
咥え煙草のまま、視線を外した。
ちょうど真上に来た太陽に、少し目を細める。