粉雪2-sleeping beauty-
車を30分ほど走らせる途中、コンビニに寄った。
お菓子まで買おうとする千里を制止し、ホットの飲み物だけ買って足早に出る。
『…この道真っ直ぐ行ったら、ラブホ街じゃない?
ホテル行くの?』
車の中で、千里はキョトンと聞いてきた。
口元を引き攣らせ、千里に向き直る。
「ハァ?つーかお前、俺を何だと思ってんの?」
『…違うんだ?
じゃあ、どこだろう?』
行き先を考えながら首をかしげる千里に、大きなため息をついた。
「…もしヤるとしても、何であんな汚ぇ場所でしなきゃいけねぇんだよ。」
睨む俺に、千里は口を尖らせた。
「…ラブホってのは、どーでも良い女とする場所なんだよ。
だから俺、家には女連れ込んだことねぇだろ?」
『…ラブホには連れ込んでたんだね。』
「―――ッ!」
今度は逆に睨まれ、俺は何も言えなくなった。
そんな俺を白い目で見ながら、千里は言葉を続けた。
『…あたしが居なきゃ、家に連れ込んでた?』
「…お前が居ない生活なんて、考えたこともねぇよ。
あんなの全部、お前の代わりだから。」
『―――ッ!』
目を伏せる千里の頬に触れ、唇を落とした。
だけど寸前で止め、言葉を掛ける。
「…汚ぇと思う…?」
『…思ってないよ…。
マツを苦しめてきたのは、あたしだから。』
「―――ッ!」
そして、唇を合わせてくれたのは千里の方だった。
何でこんなに優しいんだろう…。
何でこんなに、自分を責めるんだろう…。
俺の頬に触れた千里の細い指は、相変わらず冷たかった。
お菓子まで買おうとする千里を制止し、ホットの飲み物だけ買って足早に出る。
『…この道真っ直ぐ行ったら、ラブホ街じゃない?
ホテル行くの?』
車の中で、千里はキョトンと聞いてきた。
口元を引き攣らせ、千里に向き直る。
「ハァ?つーかお前、俺を何だと思ってんの?」
『…違うんだ?
じゃあ、どこだろう?』
行き先を考えながら首をかしげる千里に、大きなため息をついた。
「…もしヤるとしても、何であんな汚ぇ場所でしなきゃいけねぇんだよ。」
睨む俺に、千里は口を尖らせた。
「…ラブホってのは、どーでも良い女とする場所なんだよ。
だから俺、家には女連れ込んだことねぇだろ?」
『…ラブホには連れ込んでたんだね。』
「―――ッ!」
今度は逆に睨まれ、俺は何も言えなくなった。
そんな俺を白い目で見ながら、千里は言葉を続けた。
『…あたしが居なきゃ、家に連れ込んでた?』
「…お前が居ない生活なんて、考えたこともねぇよ。
あんなの全部、お前の代わりだから。」
『―――ッ!』
目を伏せる千里の頬に触れ、唇を落とした。
だけど寸前で止め、言葉を掛ける。
「…汚ぇと思う…?」
『…思ってないよ…。
マツを苦しめてきたのは、あたしだから。』
「―――ッ!」
そして、唇を合わせてくれたのは千里の方だった。
何でこんなに優しいんだろう…。
何でこんなに、自分を責めるんだろう…。
俺の頬に触れた千里の細い指は、相変わらず冷たかった。