粉雪2-sleeping beauty-
お化けでも出そうなほどの山道で、アクセルを踏み込んだ。
酔いそうなほどのS字カーブばかりが続く。
いつまで経っても見えるのは、うっそうと茂る木々ばかり。
―――だけど突然、視界が開けた。
視界一面を支配するのは、輝く光。
『…すっごいね…。』
「…だろ?」
目を見開いて息を呑む千里に満足し、路肩に車を止めた。
千里は足早に車を降り、柵に手を付いて下を見下ろした。
その隣に立ちながら、俺は身を縮めて煙草を咥えた。
空には星が輝き、見下ろす地上には人工的な光が輝く。
空と大地の真ん中に居るような場所で、
千里はその眩いばかりの光を見つめ続けていた。
「…そんなに身ぃ乗り出してたら、落ちるぞ?」
『だって、吸い込まれちゃいそうなんだよ?』
大きな瞳はより一層見開かれ、
辺りを包む輝きに負けないくらいにキラキラとしていた。
その瞳は、俺の方が吸い込まれてしまいそうになる。
『…何でこんな場所知ってるの…?』
「…何か、この辺では有名らしいぞ?
ここに女連れてくれば、確実に落ちるんだと。」
『ふ~ん。
で?あたしは何人目?』
不満そうに、千里は口を尖らせた。
「…誰も連れてきたことなんてねぇよ。
つーか俺だって、今日初めて来たし。
ぶっちゃけ、道に迷いそうでヒヤヒヤしてた。」
『そうなんだ。
じゃあ、すっごい嬉しい♪』
急に笑顔になった千里は、目線を輝きへと戻した。
だけど俺は、そんな千里の横顔ばかりを見つめ続けた。
笑ってる千里は、本当に綺麗だと思う。
一生このまま、時間が止まってくれれば良いのに。
この輝きごと、千里を閉じ込めてしまいたい。
酔いそうなほどのS字カーブばかりが続く。
いつまで経っても見えるのは、うっそうと茂る木々ばかり。
―――だけど突然、視界が開けた。
視界一面を支配するのは、輝く光。
『…すっごいね…。』
「…だろ?」
目を見開いて息を呑む千里に満足し、路肩に車を止めた。
千里は足早に車を降り、柵に手を付いて下を見下ろした。
その隣に立ちながら、俺は身を縮めて煙草を咥えた。
空には星が輝き、見下ろす地上には人工的な光が輝く。
空と大地の真ん中に居るような場所で、
千里はその眩いばかりの光を見つめ続けていた。
「…そんなに身ぃ乗り出してたら、落ちるぞ?」
『だって、吸い込まれちゃいそうなんだよ?』
大きな瞳はより一層見開かれ、
辺りを包む輝きに負けないくらいにキラキラとしていた。
その瞳は、俺の方が吸い込まれてしまいそうになる。
『…何でこんな場所知ってるの…?』
「…何か、この辺では有名らしいぞ?
ここに女連れてくれば、確実に落ちるんだと。」
『ふ~ん。
で?あたしは何人目?』
不満そうに、千里は口を尖らせた。
「…誰も連れてきたことなんてねぇよ。
つーか俺だって、今日初めて来たし。
ぶっちゃけ、道に迷いそうでヒヤヒヤしてた。」
『そうなんだ。
じゃあ、すっごい嬉しい♪』
急に笑顔になった千里は、目線を輝きへと戻した。
だけど俺は、そんな千里の横顔ばかりを見つめ続けた。
笑ってる千里は、本当に綺麗だと思う。
一生このまま、時間が止まってくれれば良いのに。
この輝きごと、千里を閉じ込めてしまいたい。