粉雪2-sleeping beauty-
“…マツ、愛してるよ…。
マツだけを、愛してる…。”



お前が最期に俺に嘘をくれて、本当に嬉しかった。



“…もしマツがあたしを見つけてくれても、それは他人でしかないから。
だからマツは、今度はあたしの子供として生まれてこなきゃダメなの。
そしたらあたしは、他の何を差し置いてもマツを愛してあげられる。
たとえ嫌われても、あたしはマツに愛情を注ぎ続けるんだよ。”



あの約束、楽しみで仕方がねぇんだ…。


お前の温もり、まだ忘れてねぇから…。


お前と笑いあったことも、傷つけあったことも。


全部、ちゃんと覚えてるから。



“じゃあ、問題ね。
あたしは、ガチャピンとムック、どっちが好きでしょう。”



そんなの、どんなに考えたってわかるわけねぇじゃん…。


でも、それを考えてるから、俺は今、暇じゃねぇんだ。


毎日、お前との思い出の中で暮らしてるよ。


だから、楽しくて仕方ねぇんだ。


巡る季節は、どれもお前との日々を思い起こさせてくれて。


大丈夫だよ。


俺は、お前らと違って強いから。




なぁ、千里…


すっげぇ愛してた。


俺に色々なものくれて、色々なことを教えてくれて、ありがとう。


俺の胸には相変わらずキリストロザリオが光ってて。


だけど今度は、あの約束が果たされることを祈ってるんだ。


今度はちゃんと、お前に愛してもらうから。


それまでずっと、待ってるからな―――…












END


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