粉雪2-sleeping beauty-
『…マツって、サンタさんが持ってる袋みたいだね。』


サンタの格好をしたプーさんのぬいぐるみを手に取り、千里は笑顔を向けた。



「ハァ?」


その言葉に、眉をしかめる。



『サンタさんの袋には、夢とか希望が詰まってるんだって。
マツを見てると、元気になれるんだ…。』


そう言って、俺の手の上にぬいぐるみを乗せて、一人で歩き出した。



「…意味わかんねぇし…。」


ため息をつき、ぬいぐるみを元の場所に戻した。



俺の夢はお前が俺の女になることだし、

希望はお前が隼人さんを忘れることだ…。


そんな俺を見て元気になるとか、全然意味がわかんねぇ…。


だけどお前が立ち直ることに俺が少しでも力になれてるのなら、それだけで良かった。






結局千里は欲しい物を全部自分で買い、

両手イッパイに抱えきれなくなった荷物を俺に持たせた。



「…お前、こーゆー為に俺と買い物に来てるのか?」


かさばるし重いしで、腹が立ってくる。


俺は女の荷物なんか、持たされたことがないのに…。



『…まぁ、それもちょっとあるかな?(笑)』


そんな俺に、千里は悪びれることなく笑っていた。



『あ~、楽しかった♪
次はケーキ屋でも行ってお茶する?(笑)』


「…絶対無理。
つーか、またケーキかよ…。」


コイツは、俺がそーゆー場所が嫌いだって知ってる癖に言いやがるから、余計に腹が立つ。


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