粉雪2-sleeping beauty-
またこれで、俺の中の限界に達していた水瓶が少しだけ減った。


虚しさは残るけど、それでもこれでやっと、千里に笑って向き合える。



なぁ、千里…。


俺ってすっげぇ汚いだろ?


こんな生活も、いい加減ヤベェよ。



俺とお前、どっちが先に壊れるかなぁ…?


俺は他の女を抱くことで、壊れないようにしてるんだ。


お前は、何をストッパーにして生きてるんだ…?



“マツを見てると、元気になれるんだ”


お前、すっげぇ馬鹿だろ。



女を守るって、俺には荷が重過ぎるのかもな。


俺はもしかしたら、隼人さんなんかよりもよっぽど欠陥人間なのかもしれねぇ。



あの人と違う方法でお前のこと守ろうと思ったけど、ちゃんと出来てる…?


自信ねぇよ…。


隼人さんがあの時、何を思ってたのかも、今の俺なら全部わかるんだ。



それがお前が一番、恐れていたことだったのにな。


一番行ってはいけない方向に進んでたんだよ。



俺は何も気付けなかった。


隠すことで、お前は傷ついて…。


俺のやってることは、隼人さんと同じことだったんだな…。



そんなことに気付いたのは、あの真っ白な病院だったよな。


何でもっと早く、気付くことが出来なかったのかな…?


そしたらお前は今も、俺の隣に居たのかなぁ…?




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