粉雪2-sleeping beauty-
まぁ、それからはまた新年会に忙しくて。


相変わらず色んなトコで飲んで、やっぱりたまに、お前の店に顔出したりなんかもして。


そんな最中だったよなぁ?




その日は珍しく何も予定が入ってなくて、真鍋と二人で飲みに行ったんだ。



―カランッ…

「…何だよ、コレ…?!」


ドアを開けた瞬間、その光景に目を疑った。



『あっ!マツだぁ~!
いらっしゃい♪』



いつもに増して爆発しちゃってる頭と、

いつもに増して背中が開いちゃってる服で、千里はいつも通りに笑っていた。


店を埋め尽くしているのは、たくさんの花々。



“千里ママ、お誕生日おめでとう”


そんな風に書かれていた。


スナックでこの光景は、ちょっと異常だ。


キャバクラのバースデーかと思うほど、オッサン達が集まっている。




「…お前今日、誕生日…?」


恐る恐る聞いた。



『そーだよ?』


当たり前の様に返された。


その言葉に、肩を落とす俺。



「…何で言わねぇんだよ?」


『聞かれなかったから。』


やっぱりまた、ため息をついた。


もぉ、怒る気にもなれない。


< 57 / 372 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop