粉雪2-sleeping beauty-
the MEN
歯車が狂いだすのは、結構簡単なんだよな。
ちょっとだけ力が強すぎても、逆に弱すぎてもダメなんだ。
俺達の関係も、そんなちょっとした力の入れ具合で狂ってしまったんだ。
少しずつ、少しずつ…
ジワリジワリと中から腐食していくみたいに、
気付いたら取り返しのつかないことになっていた。
少なくとも俺達は、平穏無事に過ごしているんだと思ってた。
人それぞれ、多かれ少なかれ悩みなんて抱えてて。
口には出さないけど、それぞれがもがき苦しんでるんだ。
…だからまだ、大丈夫だと思ってた。
お前の水瓶は、もぉイッパイになってたんだな。
そんなことに、何も気付けなかった。
春になって、隼人さんが死んだ日から、またちょっとだけ遠ざかった。
だからお前の傷も、また少し小さくなってるって、思い込んでた。
そんなある日、アイツがやってきた。
何の前触れもなく、本当に突然に―――…
『―――社長!
ちょっとお話が…。』
仕事が終わり、他の人間が帰ったのを見計らったように、
真鍋が改まった口調で声を掛けてきた。
「…何だよ、突然?
悪い話なら、聞かねぇぞ?」
煙草を咥え、真鍋の向かいに腰を下ろした。
『いえ、良い話っす!(笑)』
自信満々な顔で言う真鍋に、首をかしげた。
ちょっとだけ力が強すぎても、逆に弱すぎてもダメなんだ。
俺達の関係も、そんなちょっとした力の入れ具合で狂ってしまったんだ。
少しずつ、少しずつ…
ジワリジワリと中から腐食していくみたいに、
気付いたら取り返しのつかないことになっていた。
少なくとも俺達は、平穏無事に過ごしているんだと思ってた。
人それぞれ、多かれ少なかれ悩みなんて抱えてて。
口には出さないけど、それぞれがもがき苦しんでるんだ。
…だからまだ、大丈夫だと思ってた。
お前の水瓶は、もぉイッパイになってたんだな。
そんなことに、何も気付けなかった。
春になって、隼人さんが死んだ日から、またちょっとだけ遠ざかった。
だからお前の傷も、また少し小さくなってるって、思い込んでた。
そんなある日、アイツがやってきた。
何の前触れもなく、本当に突然に―――…
『―――社長!
ちょっとお話が…。』
仕事が終わり、他の人間が帰ったのを見計らったように、
真鍋が改まった口調で声を掛けてきた。
「…何だよ、突然?
悪い話なら、聞かねぇぞ?」
煙草を咥え、真鍋の向かいに腰を下ろした。
『いえ、良い話っす!(笑)』
自信満々な顔で言う真鍋に、首をかしげた。