粉雪2-sleeping beauty-
『…スンマセン、俺…。
今、すげぇ混乱してます…。』
真鍋は顔を隠すように手をかざし、俺から少し離れた位置に腰を下ろした。
『…ごめん、ママ…。
ルミも…。』
同じようにルミも腰を下ろし、戸惑いの表情を浮かべていた。
「…悪ぃな、千里…。
お前は、俺と隼人さんに巻き込まれただけなのにな…。」
立ち上がり、カウンターに向かって足を進めた。
そして、飲みかけだった千里のグラスの酒を流し込んだ。
渇いていた喉に、苦味が広がる。
『…マツ…。
あたしが選んだ人生だよ?
…誰の所為でもない…。
全部、あたし自身が決めたことだから…。』
千里は悲しそうに、顔を俯かせた。
少しだけ、千里の肩が震えているように見える。
お前はずっと、そうやって生きてきたもんな。
全部自分が抱え込んで、自分を責め続けるんだ。
『もぉいい加減、話してくださいよ!!』
真鍋が声を荒げた。
「…俺には、千里の傷エグるような真似、出来ねぇよ…。」
『―――ッ!』
今度はハッキリとわかるほど、千里の肩は震えていた。
なのに俺は、抱き締めることすら出来ない。
「…全部河本が言った通りだよ…。」
それだけ言った。
俺は何を失ったって、構わないんだ。
だけど、千里を傷つけたくはなかった。
今、すげぇ混乱してます…。』
真鍋は顔を隠すように手をかざし、俺から少し離れた位置に腰を下ろした。
『…ごめん、ママ…。
ルミも…。』
同じようにルミも腰を下ろし、戸惑いの表情を浮かべていた。
「…悪ぃな、千里…。
お前は、俺と隼人さんに巻き込まれただけなのにな…。」
立ち上がり、カウンターに向かって足を進めた。
そして、飲みかけだった千里のグラスの酒を流し込んだ。
渇いていた喉に、苦味が広がる。
『…マツ…。
あたしが選んだ人生だよ?
…誰の所為でもない…。
全部、あたし自身が決めたことだから…。』
千里は悲しそうに、顔を俯かせた。
少しだけ、千里の肩が震えているように見える。
お前はずっと、そうやって生きてきたもんな。
全部自分が抱え込んで、自分を責め続けるんだ。
『もぉいい加減、話してくださいよ!!』
真鍋が声を荒げた。
「…俺には、千里の傷エグるような真似、出来ねぇよ…。」
『―――ッ!』
今度はハッキリとわかるほど、千里の肩は震えていた。
なのに俺は、抱き締めることすら出来ない。
「…全部河本が言った通りだよ…。」
それだけ言った。
俺は何を失ったって、構わないんだ。
だけど、千里を傷つけたくはなかった。