粉雪2-sleeping beauty-
『…でも何で、その人は死んだんですか…?』



ついに、この質問が来た…。


一番恐れていた質問が…。



「…全部、千里を守る為の行動だったんだ…。
何をされても、千里は耐えて、待ち続けたんだよ…。」


目を伏せ、言葉を続けた。


「…全部終わったんだ…。
そして旅立つ日の朝、千里の目の前で殺された…。」


『―――ッ!』


口元を押えるルミを横目で見て、再び視線を足元に戻した。



「…自業自得と言われればそれまでなんだけどな…。
あれから千里は、自分を責め続けてるんだ…。」


『…そんな…!』


言葉にはならない表情で、真鍋は声を上げた。


ルミは唇を噛み締め、少しだけ肩を震わせていた。



「…まぁ俺も、元々極道でさ…。
逃げるようにあの街に行って、その男に拾われたんだ…。」


ため息をつき、天井を仰いだ。



“何、寝転がってんだよ”


隼人さんの言葉を思い出し、少しだけ笑った。



「…あの人も、極道と変わりねぇことやってたよ…。
俺なんかより、よっぽど極道然としてた。
俺は、その人の下で働いてたんだよ。」


顔を上げ、真鍋の目を見据えた。



「…別に隠すつもりもなかったし、やってきたことに後悔もしてねぇ。
それでお前が俺に着いて来れねぇなら、昨日も言った通り、さっさと辞めろ。」


『―――ッ!』


真鍋は逃げるように目を伏せ、言葉を詰まらせた。


同じようにルミも、俯いたまま言葉を発しないでいる。



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