腐っても、恋。
別世界に
…一体何なんだ。
俺は何だってこんな所でクソ甘いパフェなんか食ってんだ。
……しかも野郎と!!
星形のついた細長いスプーンを忌々しげに見つめながら、ため息。
今頃俺は家でせっかくの休みを満喫している筈だった。
…予定では。
そう、予定では、な!
「宇佐美ィ、なーに難しい顔してんだよっ、楽しくないのか~?」
常にテンションの高いこいつは、それはそれは楽しそうに俺の肩を豪快に叩く。
「楽しくねェ」
店内に響く声、装飾…メニューまで何もかも甘ったるい気がして、嫌になる。
「ノリ悪ィなぁ、せっかくオレが奢ってやってんのに」
「…お前にこんな趣味があるなんて知らなかった」
「はぁ、趣味といえば趣味ね。でも今やここの客層はオタク達だけじゃねぇぜ?」
真剣なようなふざけているような変な面しやがる。
何故得意げなんだ。
ワケが分からねェ。
「理解できねェ…。」
「そのうち分かるさっ。せっかく部活休みなんだし、息抜きしようぜ」