お星様に助けを求めて
「和歌さんは、教師から評判が良い子です。
私も、学校内ですれ違った時に挨拶をしてくれる、素敵な子だと思っています。
現代の子達は、挨拶が出来ないものですからね…」
「そうですか。
母親として、嬉しいです。」
「そんな子が、どうして退学を…
まだ中学生で、義務教育でもあります。
私達大人は、やはり中学卒業させなくてはならないと思いますが。」
校長先生が言ったのは、当たり前なことだった。
お母さんだって、母親として私が中退するなんて考えていなかった筈。
私だって、そんなつもりは更々無かった。
けど光聖と関わったことで、人生が180度変わった。
だからといって、光聖のせいじゃない。
寧ろ、幸せな事がいっぱいあった…
そんな全てのことを考え、話し合った上で、ここに来ている。
泣きそうなのを堪えながら、お母さんは話す。
「和歌は…妊娠しています。」
一瞬、いや今も…
空気が止まっている。