開かない扉
「大地の魔法か・・・。いいじゃないか。うまく使えば建築物も簡単に建てられる。
逆に破壊もできるよね。」
「でも、今、こちらの娘さんに・・・」
「あ、私はもっと役にたたないのよ。火を燃やしちゃったり、風でとばしちゃったり、雷をおとしちゃったりって・・・被害ばかり。」
「いえ、すばらしいです。かなりの攻撃魔法を会得されておられます。
化け物もきっと倒せます。もっと魔法を洗練すれば・・・」
千代とナオは顔を見合わせて「魔法を洗練?」とつぶやいた。
「洗練ってレベルアップみたいなことできるの?」
「できますよ。何度も魔法を使えばいいんです。」
ナオは自分の回復魔法の思い出をふりかえっていた。
(そういえば、僕がこの世界にきて本を読み、通りかかりのおじいさんが転んで足をけがしていたときは、小さな傷口をふさぐだけで、疲れたものだった。)
「と、いうと僕はだんだん魔法が洗練されていったということになるのかな。
だんだん重病の人が治せるようになったからね。」
「回復魔法はわかりやすいですね。」
「でも・・・私は何度も魔法使ったら、この世界がなくなっちゃうかもしれないじゃない!」
「あ・・・・・」
今度は、オーヴィアとナオが顔を見合わせた。