開かない扉
「ゼアは魔法は使えないけど、予知能力が少しあるのと相手の能力が読み取れるんだ。
だから2人とも早くここは、僕がくいとめているうちに逃げるんだ!」
「イヤ!」
「嫌です!さっきの言葉返します。先生を犠牲にして助かっても、私うれしくなんてない!!」
「しかしなぁ・・・」
大トカゲが岩をとばすのをやめ、千代たちをにらみつけた。
「あっ、何か仕掛けてくる気だわ。どうしよう、先生。」
「くっ!次の攻撃はもたないかもしれな・・・あっ・・・」
次の瞬間、大トカゲが口から長い舌を千代めがけてのばしてきた。
「お~~~~~りゃぁーーーーーーーー!!!ぶっとべこのヤローーー!」
グォォォォーーーーーー ズズ~~~~ン!
「リンルリンル、フィア・・・ラル・・・はぁっ!!」
ピカッ!
ドカーーーン!!
3人の前にはエルロとスーパーモデルのような背の高い美女が立ちふさがった。
「エルロ!!」
「先生、俺を誘わずにこんな楽しそうなピクニックに来るなんざ、水くせぇ~よ。」
大トカゲの化け物はすごい落雷とともに焼け焦げ、普通のトカゲの死体と化していた。
「危なかったですわね。ナオ・・・ひさしぶり。エルロからあなたがこの世界にいるってきいて、どうしても会いたくて、来た途端これなんだもの。
よかったわ。きれいな顔に傷でもつけたらいい男が台無しだものね。」
「先生、この女!誰ですのっ!なれなれしいわっ」
「いや・・・おそらく・・・いや、でも・・・まさか・・・あの、どなたでしたっけ?」
((いったい誰なの。モデルさんみたいなきれいな人。それに、なんてすごい魔法なの。))
「ナオ、雇い主の妹のことを忘れないでよ。私はリリルよ。アイル・ウェーバーの妹のリリル!
あなた、ここではお医者様なんですってね。それなら、いっしょに歩きやすくていいわ。」
「リリル・・・」