開かない扉
ここは・・・どこなの?

目をしっかり見開いて、あたりを見回すと、うちの近所では絶対見られないような家の中だった。

いや、家じゃない。

ここは、病院・・・たぶん病院。内科の診察室が見える。

でも、何か違う。

薄暗い診療所っぽいような、カビ臭いような・・・。

それに、手洗い場とか待合室っぽい場所は日本のものとは思えない。


外国?どうして・・・寝てるだけで外国にやってきちゃったというの?

それに、さっきの私を叱った人は・・・夢だったのかな。



体が思わず震える。
自分に何が起こったか、ぜんぜん理解できないのだ。

「ここはどこなの?

私はどうしてここにいるの?わからないぃぃぃ!」

両手で頭をはさみこみ、途方にくれていると誰かが私に話しかけてきた。



「思い出せないのかい?」

顔をあげて、声の方を見ると、髪は黒いけれど、目が深い藍色で西洋人っぽいんだけれど日本人とのハーフといったかんじの白衣を着た男の人が心配そうに私を見ていた。


「あの、ここはどこですか?病院ですよね。
失礼ですが、あなたはここのお医者さんですか?
私はどうして、ここに運ばれてきたのかわかります?」


もう、ききたいことは山ほどあった。
きっと1つ1つ丁寧に質問に答えてもらえさえすれば、じゃがいも畑に寝転がったあとの謎が解けるに違いない!
そう思った。


すると、そのお医者さんと思われる男性は困った顔をして話し始めた。



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