開かない扉
「よし、今日はここまでだ。食事して早く休めよ。」


「え?・・・はっ・・・もう夜だったのね。森から出してもらわないと、時間なんてさっぱりわからないわ。」


千代は、シャワーを浴びて、夕飯にありつく。
ふと、この食事の用意は誰が?とキョロキョロとあたりを見まわした。

((ルイゼが用意してくれてたんだ。・・・))


千代がルイゼの書斎へ行くと、ドアが勝手に開き、ルイゼが「どうした?」と声をかけた。

「あの、食事の用意までさせちゃってすみませんでした。とってもおいしかったです。私・・・」


「気にすることはない。使い魔と魔法で作っただけだから、口にあったのならいい。
とにかく、おまえは魔法をマスターすればいいんだ。
それと、夕食のあと2時間ほどしたら、俺の部屋には近づくなよ。

調べ物や、新しい魔法の実験をしてることもあるからな、へたをすりゃ、ふっとぶかもしれないからな。」


「は、はい!わかりました。師匠、明日もよろしくお願いします。
では・・・」

千代はぺこりと頭をさげて、自分の部屋へともどっていった。


「師匠ねぇ・・・ふっ」



千代はベッドに倒れこむと、ナオの声がききたくなった。

「ナオ先生、今日から本格的に魔法の練習を始めました。
魔法ってイメージすることがとても大事だったんですね。
私はてっきり、呪文を丁寧に読めばいいものだとばかり思ってました。」


「あ、そうだね。仕事に追われて、基本的なことを教えてあげられてなかったね。」


「あ、文句いったんじゃないんです・・・!!!!!!ぇ?
ええええええーーーーーーーーーーーーーー!?
どうして会話が・・・」


「やあ、千代ちゃんが僕を呼んでくれたんだよ。声がききたいって。
うれしいな。」


((あ、イメージだわ。先生の声がききたいって強く思っちゃったから・・・。))


「寝る前に日記を書くつもりだったけど、ナオ先生が直接お話してくれるんだったら、話してもいいですか?
毎日じゃなくてもいいので・・・」


「千代ちゃんが呼んでくれるなら、毎日でもいいよ。
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