開かない扉
千代が着替えをすませて、ナオのいるところへたどり着いてみると、そこはアパートが立ち並ぶ住宅街でトカゲの化け物にどんどんアパートが破壊されていく現状だった。
ナオは落ちてくるがれきやコンクリートのかけらなどを魔法のバリアで防ぎながら、住民たちを避難させていた。
そして、化け物の数は3体でオミがたったひとりでひきつけて、立ち向かっていた。
「オミさん!」
千代がオミに駆け寄ろうとしたときに、化け物の1体が毒液を吐きだした。
「危ない!」
オミは何とか千代の肩をつかんで横に飛び退き、毒液を避けた。
「大丈夫ですか?」
「ごめんなさい。私の方が足をひっぱっちゃって。
あの、この前みたいに剣をかまえてください。」
「はい。焼いてダメージを与えるんですね。」
「ええ。しっかり剣を持っていてくださいね。」
千代はオミの手を握り、剣からはげしい炎を噴き出させた。
炎は化け物3体を焦がし、歩いて移動できないほどのダメージを与えた。
しかし、まだまだ化け物の肉体は滅びることなく、しっかりと立っており、形が残っている限り復活する可能性もあった。
すると、オミは千代に手を離すように指示をした。
「ここまでくれば、いけるから。ここで見ていて。」
「でも、オミさん・・・」
オミは気合をいれて焦げた1体に斬りかかった。
「うおぉぉぉぉぉーーーー!」
ズズーーーーン!
オミの剣が化け物を2つに斬り裂いた。
しかし、斬った焦げ肉は完全に燃えてはいなかった。
そこで、千代はオミに自分の魔法と同時に全力で斬りつけるように頼んだ。