開かない扉
な~~~んて私が言うとでも思ったの?
そんなバカなことするわけないじゃない!!
千代にナオを食べてもらうわよ!」
「でも君はナオのことを・・・」
リリルは深呼吸を1つすると、薄気味悪いほどの笑みを浮かべた。
「相手は神様で、神様を正常にもどせばいいわけよね。
贄なんてまた作ってもらえばいいじゃない。」
「なっ・・・ナオがそっくりそのままで復活できるかなんてわからないんだよ。
ぜんぜん別人の場合だって・・・」
「見た目はそれもあるかもしれないけど、ナオの魂や思いが千代をほったらかしにするなんて思う?
私たちは神様を救ってやって、報酬をもらうのよ。
ほしいものをガンガン要求してやるのよ。」
「ほんとに、たくましいね。君って人は。
でもそれをきいて、俺もやる気出てきたよ。
ずっと神様に仕えてばかりだったけど、こっちの願いを聞き届けてもらうなんてワクワクする。」
ルイゼがそう言い終わらないうちに、底から突き上げるような揺れが襲いかかった。
ゴォォォォォオーーーー
「ぎゃっ!何?」
「あっ!いかん。千代が大地に飲み込まれてしまう。メモを探しにきたのが遅かったようだ。神はもう暴走してる!
リリル、もどるぞ。」
「ええ。」
大きな地震の後、小さな地震がずっと続いていた。
診療所の周りは小さな地割れが数多くできていて、町の一部では大きな地割れで人がまきこまれているところもあった。
診療所はナオと千代が魔法で結界を張って、なんとか仲間や知り合いを守っていたが、山の方からいつぞやのトカゲの化け物が何十匹単位で下りてきているのが見えた。