開かない扉
「どうしよう・・・地震の上にトカゲたちがこっちに来るわ。
ここの結界は先生ひとりじゃ荷が重すぎるよね。」
「くっ・・・((よわったな。たとえここを僕がひとりでなんとかしても、あの数の化け物たちを千代ひとりで倒すなんてことは無理だ。でも・・・))
大丈夫、僕ひとりでここは止められる。
それよりも、千代はあのトカゲたちを止められるかい?」
「((止められるんだろうか?魔法はかなり威力上がってるとはいえ、ここの結界で魔力を消耗したし・・・でも、なんとかしなきゃ先生もみんなも守れない。
救世主なんだもん、だろうかじゃなくて、止める。))
私が絶対止めるぅ!止めてみせる!」
千代とナオは笑顔で見つめあった。
「せ~の!」
「先生、私が町の入口まで行ったら、一瞬結界をといてね。」
「わかった、無理はするな。絶対無理はするなよ。」
千代が町の入口までたどり着くと、すぐ前までトカゲたちがせまってきていた。
ナオの結界が一瞬消え、町の外へ出た千代は大きく深呼吸をして、腕をふりあげた。
「さぁ、1ぴきたりともここを通さないわ!」
千代はトカゲの群れに今までの最高温度の業火をあびせた。
トカゲたちはどんどん黒焼きになっていく。
倒れたトカゲは炭になり、炭にまた炭がひっかかって倒れるというさい先のいい戦闘だった。
「やっりぃ~~♪」
向かってくる道が1本なだけ倒しやすかったので、残りはあと4分の1くらいになっただろうか・・・。
するとそのとき、大きな揺れがまた町を襲った。
ゴォォォォォーーーーー!
「あっ、しまった!診療所にトカゲがっ」
大きな地震で診療所の裏に土砂が流れ込み、道ができてしまったのだ。
しかも、なぜか結界が・・・結界が消えかけている!?
「先生・・・まさか・・」