乱樹(らんじゅ)の香り
幼姿
タネ
麗は中野の腕につかまった。
「麗ちゃん、オレと付き合って」
中野の綺麗な顔が麗にせまってきた。
冗談じゃない。
麗は、あらん限りの力を振り絞って、逃げた。
※※
「麗!!いいかげんにしなよ!」
恰好も派手だが、顔も派手に整った、美人の杉並 慧(ケイ)が叫んだ。
「中野なんか美系って言っていいくらいカッコイイじゃない」
三井 麗(レイ)は、整ったかわいい顔で、困ったように笑う。
「頭もいいし、運動神経も抜群らしいし、こんなのなかなかいないよ!?」
麗は、頭を横に振った。
色素の薄い髪が耳の下で揺れる。
「っだ~」