乱樹(らんじゅ)の香り
「それはそうと、兵庫、さっさとオトしちゃえばいいじゃん」

「あのね」

「彼女がいてもかまわない。

あたしは二番目でいいから・・・がしっ。

いいか、ここで抱きつくんだぞ」

「何言って」

「がんばれ。

ほら、ここにいるし」

瞬は言って、歩いてきた兵庫を捕まえた。

「何だよ」

警戒して逃げようとする兵庫。

「落ち着け。

用があるのはお前もよく知っているこの方だ」

麗は兵庫の前に押し出された。

「えっ??」

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