乱樹(らんじゅ)の香り
若葉
「で?」
瞬が隣に座って、麗のほうに大きく身を乗り出していた。
「で?って何よ」
「『二番目でもいいから』とかいう展開にはならなかった?」
麗は目を上に向けて考えた。
兵庫は、全身、熱かったな。
思い出して、顔が熱くなる。
「何、赤くなってんだよ」
「なってないっ!!」
ムキになると、どう誤魔化しようもないくらい、熱くなる。
「何だかわからないけど、うまく行ったんだね。
良かった良かった」
瞬は意味深に笑みを作って、少し離れた。
「彼女のことはいいのかね、兵庫」
ドキッとする。