乱樹(らんじゅ)の香り
シャツはきっちり上までボタンをかけて、パンツスタイルで。

「何ていうか、お似合いな感じだね。

麗とあいつじゃ、釣り合いが取れないけど」

言いながら、慧はちらちらと麗を見る。

「一緒に歩いてても絶対あっちがぞっこんで、麗がしぶしぶ付き合ってあげてるようにしか見えないもんね」

麗は黙って慧を見た。

どうも

苦しい。

二人の姿が焼きついて、その辺りから、メリメリと痛んでくる。



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