乱樹(らんじゅ)の香り
それでも、心地の良い暖かさは麗自身の身体に、直接伝わってくる。

「彼女の、モノなんだよね、タカちゃんは。

これだって、禁止行為?」

「うん」

笑いながら引き離そうとするので麗は自分から手を離して、代わりにキスしてやった。

引き離されるんだろうな。

思っていたのに、兵庫は拒否しなかった。

あっさり受け入れて、とても濃厚にお応えしてくれた。

兵庫は麗の中の、兵庫をスキな気持ちを探り出して、甘く包み、理性ごととろかしてゆく。

麗は、力が抜けてしまって、座り込んでしまった。

兵庫が、スッとしゃがみこむ。

「また、逃げられた」

笑ってる。

「逃げたんじゃないわっ。

立てない。

帰れない。

泊めてよタカちゃん。

でも手は出さないでね」

兵庫は苦笑した。

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