乱樹(らんじゅ)の香り

「わ、誰?すっごいかわいい子じゃん」

キラキラ笑顔で訊いてくる。

「・・・友達」

「そうなんだ。

よかった。

はじめまして。

オレ、こいつのイトコの鳴海(ナルミ)快羅。

よろしくね」

「こっちは、三井 麗ちゃん。

その、『よかった』はどういう意味かな」

「タカトシの彼女じゃなくてよかったな~って。

レイちゃん、彼氏いるの?」

麗は、首を横に振った。

「うそ~。

貴重だね。

だったら、お友達のタカトシなんか放っておいて、遊びにいかない?」

うわ、このヒト、ちょっと瞬入ってるな。



< 60 / 116 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop