乱樹(らんじゅ)の香り
「わ、誰?すっごいかわいい子じゃん」
キラキラ笑顔で訊いてくる。
「・・・友達」
「そうなんだ。
よかった。
はじめまして。
オレ、こいつのイトコの鳴海(ナルミ)快羅。
よろしくね」
「こっちは、三井 麗ちゃん。
その、『よかった』はどういう意味かな」
「タカトシの彼女じゃなくてよかったな~って。
レイちゃん、彼氏いるの?」
麗は、首を横に振った。
「うそ~。
貴重だね。
だったら、お友達のタカトシなんか放っておいて、遊びにいかない?」
うわ、このヒト、ちょっと瞬入ってるな。