乱樹(らんじゅ)の香り
たまたま誰もいない、廊下の端。

一つを付け終わると、もう一つは手の中にくれた。

「麗~!!探してたんだ」

慧が来る。

麗は、残っているピアスを付け直した。

「あ、何それ、かわいい」

慧は目ざとくしっかり、麗の真あたらしいピアスを見つけた。

「何?これ、ルビー?誰かにもらったの?」

麗は、ちょっと驚いて兵庫を見そうになった。

そんな高価な物だったのか。

「って、違うじゃない。これ、光の帯がある。

スタールビーだよ」

「スタールビー?」

「ん。ルビーより全然高価だね。

誰よ、こんなのくれたの」
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