乱樹(らんじゅ)の香り
麗は、露骨に嫌な顔をした。

「…それは嘘」

何か、すごくからかわれてるんですけど。

麗は思った。

「…ストッパーが来ない」

 兵庫は困ったようにつぶやく。

「ストッパー?」

「カイラだよ。早く来てくれないと」

兵庫は麗を見つめた。

あ、このタカちゃん、一番かっこいいかも。

麗が見とれていると、兵庫が動いた。

麗に、キスする。

この感じ、絶対慣れ、ないなあ。

麗は思った。


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